お金を差し上げます

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マッチングアプリでマッチングされたのは同世代の結構な美人だった。
普段は女子短大で事務の仕事をしているそうで、周りは女性か既婚者のおっさんばかりであり、ただでさえ出会いがない職場である。そのためプライベートでの出会いはあきらめて、こうしてマッチングアプリに身を任せて出会いを模索しているのだそうだ。
僕も周りは男だらけの似たような環境なのでこの出会いはありがたい。彼女が魚料理が好きということで、ちょっと張り込んで静かな日本料理屋でイキのいい寒ブリの刺身をつつきながら、僕たちは話に花を咲かせていた。
彼女は身振り手振りが大きい明るい女性だった。ちょっと落ち着きがないようにも見えたが、どちらかと言えば内向的な僕にとってはその彼女の明るさは魅力だった。
だが、セックスアピールはまるでなかった。僕はやらせてくれるならお金を差し上げます!てくらいセックスには貪欲なのだが、彼女からはそう言うアピールは全く感じなかった。まあ、僕もヤリモクには別のアプリを使うし、彼女もまたそういうものは求めていないからそう思えるのだろう。こう言うデートを重ねるうちに何かきっかけが生まれて、寝る機会も訪れるかもしれないが、次のデートの約束も取り付けられたしあわてる必要もない。ゆったりときっかけを待つことにしたのだ。だが、そのきっかけは突然訪れた。
「じゃあ帰ろうか」
と、彼女が席を立った時、ブッ!と音がした。屁だ。それは抗いようもなく屁だった。静かな店内に屁の音だけが響いた。
彼女もしれっとしていればいいのに「あ!」と体をひねりながら尻に手を当てていた。これは自ら「私がこきました」と言っているようなものだ。
何となく気まずいムードが流れる中、やがて彼女はもじもじしながら言った。
「お魚が美味しかったから屁こいた。ブリッ!・・・なーんてね」
・・・・・・・・
その晩、予定を変更して彼女をムチャクチャ抱いた。一発の屁と下手なダジャレがきっかけを手繰り寄せるとは何がどう転ぶかわからない。
お金を差し上げますから、また屁をこいてください・・・と、僕は彼女のアクメ顔を見ながら思った。
無償でお金くれる人
アラフィフのパパ活
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