操

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私は、これまでに操を捨てようと思ったことがありません。操を捨てることで相手の男性の言いなりになるのが嫌なのです。私の中では、操を捨てたら、負け。という、固定概念がなぜかあるのです。もちろん、頭の中では、そうじゃないこともわかっています。でも、私のプライドが、許せないのです。この人のためなら負けてもいい。という男性に巡りあえていない。ということもあるのでしょうが、私にとっては、操を捨てるということはその男性に負けを認める。ということと同じことなのです。先日も、出会い系サイトで知り合った男性と会い、食事に行き、ホテルに誘われました。私はいつものように、きっぱりと断ります。相手の男性は、何としてでも、ホテルに行きたいらしく、私を必死で口説こうとしていました。私はそんな彼をみて、心の中では、私はあなたには負けない。と思っていました。初めて会った男の人に体を許すほど、私は落ちぶれてはいない。そう思いました。彼は最終的に諦め、私を家まで、送ってくれたのですが、車の中では終始、無言でした。そんな彼をみて、たいしたことないな。私はそう思うのです。私の想像を覆すような男性を待ちわびて、もう35年。未だに、理想の男性は現れそうにありません。私の欠点として、妥協できないところが、いけないとはわかっているのですが、妥協するくらいなら、私は一生一人のままのほうがいい。そう思います。その彼とは結局、最後の最後まで、言葉を交わすことはありませんでした。
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