パパ募集

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父親が、パパ募集のサイトの常連って気づいて、ちょっとイヤな感じはしたんだよね。
たまたま親父のパソコン借りることがあって、「お気に入り」にそのパパ募集のサイトが登録されてた。
こういうことするんだーって純粋な驚きと、その後に気まづさっていうか、後味悪さ？みたいな感情が襲ってきて。
うち、母親がいなくて。俺が中学の時に、急に事故で亡くなってさ。それ以来、男二人家族なわけ。
親父も独身なんだから、別に出会い系やってたっていいんだけど、パパ募集はどうなんだろって。
俺も、もう22だから、立派な大人で、親父の性癖とかに口出す権利も義理もないしさ。見なかったフリするのがいいと思って、知らん顔してたんだよ。
そうしたら、親父の方から「俺のパソコン、使っただろ」って言って来て。
「あー、ちょっと大学の用事でプリントアウトするやつがあったから」って答えた。まぁ、「何も見てないよ」って意味合いが強いんだけど。
だけど、親父アホだから、そういうこと分からなかったみたいで。
「見たんだろ」って。「何を？」ってとぼけたら、「パパ募集のサイト」って。
「え？パパ募集？俺が？金もないのに」って、笑ってごまかしてあげた。
「いや、俺がパパ募集のサイトに出入りしてたの、見たんだろって聞いてんだよ」って親父、自分からゲロっちゃって。
「いや、まー。いいんじゃね？親父だって一応男盛りなわけだし？」って言ったら、「違うんだよ！」っていきなりキレだして。
なんか、死んだ母親と次は女の子が欲しいねってよく話してたんだって。で、年齢的にも20歳前後の女の子を見ると、その時のことを思い出すとかなんとか必死に言い訳してた。バカなやつ。
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