秘書

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「狭山くん……いや、美佳子と呼んでもいいだろうか?」
都内のホテルの最上階のフレンチ・レストランでワインを飲む。彼女は私の秘書として、私は彼女の上司として。
「社長……、困ります」
「私のことも名前で呼んでくれないか。今は仕事中ではないのだし、私たちは社長でもなければ秘書でもない。ここにいるのは一人の男と女だよ」
彼女の手に指先で触れた。彼女は一瞬ぴくりと体をこわばらせ、抵抗の意思を見せた。
「ですが、社長……、いえ、伸行……さん」
私はすかさず、ホテルのルームキーを見せた。「部屋はとってある。もう少し一緒に飲まないか?」
秘書としての顔ではなく、完全なプライベートの彼女の顔が見えた。いつものキリリとした仕事用の表情ではなく、一人の女の頼りない繊細な表情だ。
部屋に入ると、彼女はてきぱきと部屋のミニバーと冷蔵庫の中の氷を確認した。そして、ルームサーピスのメニューを見て、「何をお飲みになります?」と聞いた。
「部屋にあるものでいいよ。今日は誰にも邪魔されたくないから。美佳子」
私は彼女の後ろから抱きしめた。ちょうど彼女の頭が私の鼻のあたりにあり、かすかなシャンプーの匂いが感じられた。
「社長、あの、本当に……アン……困ります……」
耳の後ろに息を吹きかけると、彼女はビクンと身を震わせた。
「社長とは呼ぶな、美佳子」
私は少し乱暴に彼女の胸を鷲掴みにした。そして、無理やりくちづけをした。
この一連の流れは毎週私たち夫婦の間で行われる「社長と秘書」プレイ。金曜の夜、社長と秘書として待ち合わせて食事をする。そして社長と秘書がとうとう一線を超える……という一連のドラマを二人で演じる夫婦の秘密の遊びだ。
 
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