最貧困女子

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妻、今でいう最貧困女子だった。
母親が病気がちで、中学生のあたりから新聞配達とかのバイトしてたらしいよ。
で、高校は夜学で、昼間は仕事してたらしい。
俺と知り合ったのは、二十歳の時。俺は、家が自動車修理工場やっててさ、後継ぐつもりで親父と働いてて。母親も事務とか保険関係のことやって、家族で工場やってたのね。
で、友達と遊ぶ時に、その友達の彼女の友達が、今の妻だったわけ。
始めて紹介されて、第一印象で「疲れてるっぽい子だなー」って思った。みんなでファミレス行ってもさ、何も頼まないで、水ばっかり飲んでるし。
「おなか空いてない」って言ってたけど、「ケーキとコーヒーくらいは入るんじゃない？」ってメニュー見せたけど、「いらない」って。
その子が帰ってから、友達の彼女がぽそっと言ったけど「あの子、母親養ってるから、お金ないんだ」って。
そんなことなら、先に言えってちょっと大声出しちゃってさ。
最貧困女子に対する同情もあったと思うけど、ほっとけなくて、俺からその子誘うようになってさ、連れだしてるうちに、お互いいい感じになって付き合おうって告白した。
長年、最貧困女子で、汚い仕事もしてたこともあったんだと思うよ。俺にも言えないようなことしてた可能性もかなりあるしさ。
だけど、病気の母親支えようとして必死でない頭絞って働いてさ。俺にはできないことだから、その強さは尊敬するよ。
今は結婚して、うちの母と工場の事務とかしてもらってる。学はないけど、地頭はいいみたいで、覚えが早くてうちの母親も喜んでる。
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